有名どころではExpressVPN、PIA(Private Internet Access)、NordVPNなどが挙げられますが、
これらの匿名VPNサービスは本当に信頼に足るサービスであるのか、サーバ所在などから検証していきます。
初回はあまり有名ではないものの、日本サーバを3台も用意する「ibVPN」。
ibVPN
企業名 Amplusnet SRL (ルーマニア)
料金 10.95USD/1ヶ月 42.95USD/6ヶ月 料金表
サーバーリスト
まずは東京のサーバから見ていきましょう。
日本, 東京1 Amazon Web Services jp1
日本, 東京2 BrainStorm Network, Inc Oneprovider.com - Japan Infrastructure jp2
日本, 東京3 Choopa, LLC Vultr jp3
IPアドレス(東京1) 13.114.225.40 WYD
IPアドレス(東京2) 103.75.118.117 WYD
IPアドレス(東京3) 45.32.29.235 WYD
東京1
クラウドプロバイダであるAWSをVPNサーバとして利用しています。
サーバ側でログを保持しない場合でもクラウド事業者がそうであるかはわかりません。
オーダーがあった場合に接続情報等が記録される可能性を排除できないと言えるでしょう。
東京2
こちらもクラウドプロバイダであるOneproviderですが、クラウドのほかに専用サーバの提供もあり、
必ずしもクラウドで提供されているわけではありません。
東京3
クラウドプロバイダであるVultrを利用。一応、専用クラウドやベアメタルクラウドもあります。
いずれのサーバもP2P利用禁止となっていますがI Know What You Downloadに複数件の利用履歴あり。
P2Pの利用が許可されていないサーバでTorrentを利用するとアカウント凍結となる可能性がありますのでご注意ください。
つづいて、スウェーデン。疑惑が確信へと変わったP2P許可サーバ群。
スウェーデン, ストックホルム1 M247 se1
スウェーデン, ストックホルム2~7 Sia Nano IT(YOURSERVER-SE) se2 se3 se4 se5 se6 se7
IPアドレス(ストックホルム1) 37.120.153.210
IPアドレス(ストックホルム2) 185.86.148.167
IPアドレス(ストックホルム3) 185.86.149.132
IPアドレス(ストックホルム4) 185.86.150.17
IPアドレス(ストックホルム5) 185.86.150.21
IPアドレス(ストックホルム6) 185.86.148.139
IPアドレス(ストックホルム7) 185.86.148.67
inetnum: 185.86.148.0 - 185.86.149.255 netname: YOURSERVER-SE descr: Virtual Server hosting country: SE admin-c: MB43991-RIPE tech-c: MB43991-RIPE status: ASSIGNED PA mnt-by: YOURSERVER created: 2015-09-06T16:26:02Z last-modified: 2017-05-27T05:38:49Z source: RIPE
スウェーデンはサーバ2~7でP2P利用可能ですが、Whoisのdescrに「Virtual Server hosting」とあり、
どうみてもYourserver.seのVPS。1Core 1GB RAMで5EUR/月のVPSを提供している事業者で、
ホームページに専用サーバの記述は見受けられませんでした。
同業者はラトビアサーバも提供しており、もちろんibVPNもこのラトビアサーバを利用しています。
好意的に捉えるならLARGER PLANSということになりますが、これもVPSであることに変わりはないと思います。
ちなみにサーバ1のM247もあるんですよねクラウドやVPSが。
そのほかの国もまとめてご紹介いたします。
DigitalOcean
クラウドプロバイダ大手。1vCPU 1GB RAM 1TB BWで月額5USD~のクラウドを匿名VPNに利用。
grandfatheredアカウントの場合転送量無制限。
インド, ベンガルール5 DigitalOcean, LLC in5
IPアドレス(ベンガルール5) 139.59.2.46
イギリス, ロンドン7 DigitalOcean, LLC uk7
IPアドレス(ロンドン7) 46.101.16.118
シンガポール, シンガポール2 DigitalOcean, LLC sg2
IPアドレス(シンガポール2) 128.199.219.155
us8、us16もDigitalOceanです。
ru2 firstvds.ruの会社。
そのほかのサブドメインはSecurityTrailsで確認できます。
総評
1/5 絶対に避けたほうがよい匿名VPN事業者
クラウドやVPSを積極的に利用し、ランニングコストを抑えています。
もちろん専用サーバも中にはあるのでしょうが、混ぜている時点で不可。
いくらクラウド/VPS上でノーログだとしても、ホスティング会社へのオーダーで接続状況を記録される可能性は否定できません。
Abuseのメールにしても、まずはWhoisに記載のあるホスティング会社へ届き、それが顧客であるibVPNに転送されるというシステムですので、令状に関しては把握すらできない可能性があります。
そもそもクラウド/VPS事業者はPublic VPNを運営することを許可しているのかという疑問もあります。
ふんわりとした感想文で事業者を持ち上げているサイトもありますが、本当にサーバリストを見て、利用しての感想であるのか問い質したいくらいです。
匿名VPNの序列が「HDD搭載なし自己保有サーバ(コロケーション)>自己保有サーバ(コロケーション)>専用サーバ>>仮想サーバ」であるとするならば、
一番下の位置付けですので、"匿名"を目当てに契約するのであれば悪手でしょう。
ほかのプロバイダを選択することを強く推奨いたします。
価格・在庫は記事掲載時点(2020/06/23 00:14)のものです。価格は変更される可能性があります。